A駅から、途中のB駅に寄ってC駅に行くとき、
A→B、B→Cの切符を何も考えず買っていませんか。
途中下車ができる場合は、切符を分けて買うと損です。
旅の可能性を広げる「途中下車」を紹介、解説します。
ありがちな情報ですが、
ブログの中で毎回解説するのも面倒なので、簡潔に書いておきます。
弁護士という職業柄、法律色が少し強まるかもしれません。


鉄道会社との契約内容は、運送約款にあり。

JRを利用する乗客は、「運送約款」にしたがって列車を利用しなければなりません。
契約は、申込と承諾という意思表示の合致があって成立しますが、
「運送約款」は、令和2年に改正された民法の「定型約款」にあたり、
約款の内容を知っていようがいまいが、約款に従った契約が成立します。

「鉄道営業法」には、運行約款が定型約款であることを前提とした記載があり、
何なら、鉄道会社は約款を公表しているだけで有効とされています。

鉄道の運送約款が定型約款であることは争いようがなく、「知らなかった」は許されません。
《民法》
(定型約款の合意)
第五百四十八条の二 定型取引(ある特定の者が不特定多数の者を相手方として行う取引であって、その内容の全部又は一部が画一的であることがその双方にとって合理的なものをいう。以下同じ。)を行うことの合意(次条において「定型取引合意」という。)をした者は、次に掲げる場合には、定型約款(定型取引において、契約の内容とすることを目的としてその特定の者により準備された条項の総体をいう。以下同じ。)の個別の条項についても合意をしたものとみなす。
 定型約款を契約の内容とする旨の合意をしたとき。
 定型約款を準備した者(以下「定型約款準備者」という。)があらかじめその定型約款を契約の内容とする旨を相手方に表示していたとき。
《鉄道営業法》
第十八条ノ二
 鉄道ニ依ル旅客ノ運送ニ係ル取引ニ関スル民法(明治二十九年法律第八十九号)第五百四十八条の二第一項ノ規定ノ適用ニ付テハ同項第二号中「表示していた」トアルハ「表示し、又は公表していた」トス


途中下車規定

途中下車の規定については、以下のように定められています。
(途中下車)
第156条 旅客は、旅行開始後、その所持する乗車券によつて、その券面に表示された発着区間内の着駅(旅客 運賃が同額のため2駅以上を共通の着駅とした乗車券については、最終着駅)以外の駅に下車して出場した後、再び列車に乗り継いで旅行することができる。ただし、次の各号に定める駅を除く。
要するに、一定の場合には、
下車して改札を出ても、切符は回収されず、
そこからまた切符が使えるということです。
途中下車ができない条件については、超長い条文があります。


条件1 片道100kmを超える切符であること

100km以内の切符では、途中下車はできません。
片道1870円以上の切符であれば、途中下車が可能です。
大阪駅からだと、代表的な路線の100kmを超える駅は、以下の駅です。
山陽本線:竜野駅(網干よりも向こう、相生よりも手前)
紀勢本線:紀伊宮原駅(和歌山や海南よりも向こう、御坊よりも手前)
山陰本線方面:市島駅(福知山よりも手前)
東海道本線:南彦根駅

条件2 大都市近郊区間の枠を超える乗車であること


東京の「大都市近郊区間」って異常に広くて、
東京発着の切符だと松本や塩尻でも途中下車は不可なので注意。

この規定を回避するためには、目的地を大都市近郊区間から外すこと。
例えば、東京から新宿で途中下車して松本で下車したい場合は、
松本が東京の大都市近郊区間内なので、同じ大都市近郊区間の新宿では下車できません。
しかし、松本から一駅北の駅まで切符を買えば、大都市近郊区間を外れることができるので、
新宿での途中下車が可能になります。
僕はこの記事を書くまで、この点の解釈を誤っていました。


条件3 「●●市内」発着の切符で、「●●市内」での下車は不可。

東京、横浜、名古屋、大阪、神戸、広島や札幌などに向かうとき、注意してください。
券面を見れば分かるかと思います。

⑴全区間の営業キロが片道100キロメートルまでの区間に対する普通乗車券を使用する場合は、その区間内 の駅。ただし、列車の接続駅で、接続関係等の理由により、旅客が下車を希望する場合で、旅客鉄道会社 が指定した駅に下車するときを除く。

⑵ 次に掲げる区間(以下「大都市近郊区間」という。)内の駅相互発着の普通乗車券を使用する場合は、その区間内の駅
イ 東京附近にあつては、東海道本線中東京・熱海間(第16条の2の規定にかかわらず、東海道本線(新幹線)東京・熱海間を除く。)及び品川・新川崎・鶴見・羽沢横浜国大間、山手線、赤羽線、南武線、鶴見線、武蔵野線、横浜線、根岸線、横須賀線、相模線、伊東線、中央本線中東京・塩尻間及び岡谷・辰野・ 塩尻間、青梅線、五日市線、八高線、小海線中小淵沢・野辺山間、篠ノ井線中塩尻・松本間、東北本線中 東京・黒磯間(第16条の2の規定にかかわらず、東北本線(新幹線)東京・那須塩原間を除く。)、日暮 里・尾久・赤羽間及び赤羽・武蔵浦和・大宮間、常磐線中日暮里・浪江間、川越線、高崎線(第16条の2 の規定にかかわらず、高崎線(新幹線)大宮・高崎間を除く。)、上越線中高崎・水上間、吾妻線、両毛 線、水戸線、日光線、烏山線、水郡線中水戸・常陸大子間及び上菅谷・常陸太田間、信越本線中高崎・横 川間、総武本線、京葉線、外房線、内房線、成田線、鹿島線、久留里線及び東金線(以下これらの区間を 「東京近郊区間」という。)

ロ 大阪附近にあつては、東海道本線中米原・神戸間(第16条の2の規定にかかわらず、東海道本線(新 幹線)新大阪・新神戸間を除く。)、山陽本線中神戸・相生間(第16条の2の規定にかかわらず、山陽本 線(新幹線)新神戸・西明石間を除く。)及び兵庫・和田岬間、湖西線、おおさか東線、大阪環状線、桜 島線、JR東西線、福知山線中尼崎・谷川間、北陸本線中米原・近江塩津間、加古川線、赤穂線中相生・ 播州赤穂間、山陰本線中京都・園部間、関西本線中柘植・JR難波間、草津線、奈良線、桜井線、片町線、 和歌山線、阪和線及び関西空港線(以下これらの区間を「大阪近郊区間」という。)

ハ 福岡附近にあつては、鹿児島本線中門司港・鳥栖間(鹿児島本線(新幹線)小倉・博多間を除く。)、 香椎線、篠栗線、日豊本線中小倉・行橋間、日田彦山線中城野・今山間、筑豊本線、後藤寺線及び博多南 線(以下これらの区間を「福岡近郊区間」という。)

ニ 新潟附近にあつては、上越線中小千谷・宮内間、磐越西線中五泉・新津間、羽越本線中新津・村上間、 白新線、信越本線中直江津・新潟間(第16条の2の規定にかかわらず、信越本線(新幹線)長岡・新潟間 を除く。)、越後線及び弥彦線(以下これらの区間を「新潟近郊区間」という。)

ホ 仙台附近にあつては、東北本線中矢吹・平泉間(第16条の2の規定にかかわらず、東北本線(新幹線) 郡山・一ノ関間を除く。)、岩切・利府間及び松島・高城町間、常磐線中小高・岩沼間、仙山線、仙石線、 石巻線、磐越東線中船引・郡山間、磐越西線中郡山・喜多方間、奥羽本線中福島・新庄間(奥羽本線福島・ 新庄間に運転する特別急行列車に乗車する場合を除く。)、左沢線及び陸羽東線(以下これらの区間を「仙 台近郊区間」という。)

⑶ 第86条及び第87条の規定によつて発売した乗車券を使用する場合は、当該乗車券の券面に表示された特定都区市内又は東京山手線内にある駅

⑷ 普通回数乗車券を使用する場合は、その券面に表示された区間内の駅

⑸ 当社が特に途中下車できる駅を指定した場合は、その指定した駅以外の駅
 特定都区市内にある駅に関連する片道普通旅客運賃の計算方)
第86条 次の各号の図に掲げる東京都区内、横浜市内(川崎駅、尻手駅、八丁畷駅、川崎新町駅及び小田栄駅 並びに鶴見線各駅を含む。)、名古屋市内、京都市内、大阪市内(南吹田駅、高井田中央駅、JR河内永和駅、 JR俊徳道駅、JR長瀬駅及び衣摺加美北駅を含む。)、神戸市内(道場駅を除く。)、広島市内(海田市駅及 び向洋駅を含む。)、北九州市内、福岡市内(姪浜駅、下山門駅、今宿駅、九大学研都市駅及び周船寺駅を 除く。)、仙台市内又は札幌市内(以下これらを「特定都区市内」という。)にある駅と、当該各号に掲げ る当該特定都区市内の◎印の駅(以下「中心駅」という。)から片道の営業キロが200キロメートルを超える 区間内にある駅との相互間の片道普通旅客運賃は、当該中心駅を起点又は終点とした営業キロ又は運賃計算 キロによつて計算する。 ただし、特定都区市内にある駅を発駅とする場合で、普通旅客運賃の計算経路が、その特定都区市内の外 を経て、再び同じ特定都区市内を通過するとき、又は特定都区市内にある駅を着駅とする場合で、発駅から の普通旅客運賃の計算経路が、その特定都区市内を通過して、その特定都区市内の外を経るときを除く。 

特急券は、無効になる。

約款には、「1個の特別車両に、1回に限り」と書いています。
途中下車規定もありませんでした。

第175条
指定特別車両券を所持する旅客は、その券面に指定された列車、旅客車又は座席に限り、乗車するこ とができる。
2 自由席特別車両券を所持する旅客は、その券面に表示された乗車日の1個の特別車両に、1回に限り、券 面に表示された区間又は営業キロ地帯内の最遠の停車駅まで乗車することができる。この場合、乗車後に有効期間を経過したときであつても、その券面に表示された区間又は営業キロ地帯内の最遠の停車駅まで乗車 することができる。 

引用元:JR西日本運送約款



思いの外約款を読むのが精神的苦痛なので、
基礎知識△呂覆いもしれません。