京阪の路面電車・京阪京津線とは・・・?

20240504_143754
京阪電車といえば、淀屋橋〜出町柳を結ぶ路線をイメージしますが、実はそことは繋がっていない、『京阪京津線』という面白い路線があります。

京津線は、京都の端にある御陵からびわこ浜大津までを結び、琵琶湖に行く時には是非乗って欲しいこの路線。この路線自体がすごく特殊なんです。その面白さを紹介します。


《取材日:令和6年4月》

この記事を書いた人:曖昧

30年以上関西に住み、小さいころは南海電車を眺めて育つ。大学卒業後、何かの拍子に乗り鉄が再燃する。全線踏破は面倒なので諦めるも、電車に乗りながら酒を飲み、ぼーっとするのが趣味。時々仕事をさぼってまで現実逃避の旅にでかけることも。ブログは趣味程度。日頃は、交通事故やマンション管理を趣味とする弁護士。





びわこ浜大津駅前の交差点がやばい

20240504_101914
僕としては、関西で一番運転が怖い場所が、「びわこ浜大津」駅前の交差点です。

ここを通るのが京阪京津線。京阪京津線の一部は道路を走ります

そもそも路面電車があるだけで嫌なのに、この交差点は京阪京津線と京阪石山坂本線という2つの路面電車が走っており、京津線は道路上を4両の列車で走ります

京津線の車両は、こんな感じです。
20250112_224226
この車両は、京都地下鉄東西線の太秦天神川駅まで乗り入れる、いわば普通の車両で、長さが16.5mらしいです。

大阪のチンチン電車の長さが13mなのに対し、京阪京津線は16.5m×4両ですから、威圧感が全然違います。壁です。壁。

運転していると非常に恐怖を感じます。


何度か乗っていますが、改めてびわこ浜大津から山科まで、京津線に乗ってみました。子供を連れて琵琶湖観光をするというすごく健全な理由です。
20240504_145007
実際に京津線に乗ってびわこ浜大津駅前の交差点を通過すると、ちょっとしたアトラクション。

しかし、車内から見ると、車両の長さが分かりにくいです。是非、びわこ浜大津駅上からこの交差点を見てみてください。面白いですから。



京津線は勾配もすごい

20240504_145210
京津線に乗っていると、次に感じるのは急勾配です

京津線が道路を走る区間(併用軌道区間)はごくわずか。びわこ浜大津駅の次の駅、上栄町駅付近からはもう普通の線路に変わります。上の画像は、上栄町駅から併用軌道区間と専用軌道区間の境目を撮影したものです。

20240504_145422
上栄町駅からは、転がり落ちるように下っていきます。追分駅まではずっと急な下りが続いていました。61パーミルという急坂らしく、山岳鉄道である南海高野線の南の方よりも坂が急なようです。


箱根登山鉄道や大井川鉄道にはさすがに及びませんが、この路面電車は山岳鉄道としての面も併せ持っています。

急カーブが続く

油断して写真を撮り忘れているのが恥ずかしいのですが、この列車に乗っていると、鉄道では通常ない程度の大きなカーブが続きます。例えば、「大谷」駅近くの区間。

地図を見ていただくとわかるとおり、とんでもないカーブです。こんな直角な曲がり方なかなかしませんよね。(表示されない方はこちら

今回乗っていませんが、御陵から山科の間の区間でも、急なカーブが印象的です。
本当にぐねぐねです。

終点はなんと・・・

ネタバレ済みですが、この京阪京津線は、そのまま地下鉄東西線に乗り入れます。

「御陵」(みささぎ)駅は、地下駅です。
路面電車が山岳区間を通って、地下にまで潜る、そんな路線なんです。

今は京阪京津線としては御陵駅で終わりですが、かつては三条駅まで地上を走っていたようです。三条駅から御陵駅も急こう配を有する区間だったようですが、地下鉄東西線に置き換わって廃止されています。きっと面白い路線だったのだろうと思うと、少し残念ですね。



京阪京津線の使い方

20240504_102132
そんな京阪京津線、京都より西の方が琵琶湖観光をする時に実用的です。

JRの大津駅よりもびわこ浜大津駅の方が琵琶湖に近く、琵琶湖観光船「ミシガン」に乗る時には、JR山科駅から京津線に乗り換えるのがよいでしょう。

石山寺も、びわこ浜大津から京阪石山坂本線に乗り換えていけるので、JR山科から利用することも考えられます。

京都動物園や琵琶湖疎水・蹴上インクラインのある蹴上駅もルート上にあるので、そのあたりの観光をする時にも使えますね。


最後に

写真が少なくて申し訳なかったのですが、路面電車・山岳鉄道・地下鉄の3つの顔を楽しめる京阪京津線は、乗っていて飽きることがないアトラクションのような路線です。

是非、琵琶湖観光の時など、「こっちの方が琵琶湖近いよ」などとうまいこと家族を言いくるめるなどして乗ってみてください。

絶対、大津駅から歩いたりバスに乗るより楽しいですから。