【期間限定】芸備線で途中下車!東城駅から無料バスで行く帝釈峡の絶景旅

【期間限定】芸備線で途中下車!東城駅から無料バスで行く帝釈峡の絶景旅

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『途中下車したいのに本数が少なすぎて下りれない』芸備線。

新見から出る広島方面行の列車は、一日わずか5本

大阪から行くとどれだけ早く出ても13時発の列車にしか乗れず、その列車を降りてしまうともう西にも北(木次線島根方面)にも抜けられないという閑散路線でした。

JR西日本は「大量輸送の特性を発揮できていない」とか言いますが、乗ろうにも乗れないようなクソダイヤを組む時点で同社にやる気がないのは明白。

後に書くとおり、僕はこの流れに思うところがあります。
なので、JR西日本の廃線シナリオを崩してやりたいと思っています。

ふと調べると、実証実験として、
・午前中の臨時便の増便
・東城駅から帝釈峡への無料バス運行
をやっているということ。

あのあたりは、二日酔いでテニスをした「コスモドーム」と、僕が人生で唯一本部にクレームを入れるくらい態度の悪かったセブンイレブンがあったところ・・・

そのくらいしか知らないので、廃線問題が叫ばれる今、お得な臨時ルートで途中下車し、地域を応援してきたいな、と思って作った旅のレポートです。


この記事を書いた人:曖昧

30年以上関西に住み、小さいころは南海電車を眺めて育つ。大学卒業後、何かの拍子に乗り鉄が再燃する。全線踏破は面倒なので諦めるも、電車に乗りながら酒を飲み、ぼーっとするのが趣味。時々仕事をさぼってまで現実逃避の旅にでかけることも。ブログは趣味程度。日頃は、交通事故やマンション管理を趣味とする弁護士。詳細はプロフィールへ。



 sakana



3歳の娘の教育のために芸備線に乗せました。
















芸備線の臨時列車は超便利。途中下車が可能に。

芸備線は、実質的には岡山県の新見駅と広島駅を結ぶ路線です。

区間を分けるなら以下の4つ。
  • 広島〜三次
  • 三次〜備後落合
  • 備後落合〜東城
  • 東城〜新見(路線としての起点は備中神代)
特に『備後落合〜東城』の区間は1日3本(実質2本)しかなくて、攻略の難しい路線です。

※備後落合から日本海側に向けて、超秘境なローカル線「木次線」もあります(これも1日3本)。

新見から東城に向かう通常列車は、以下のわずか4本
  • 5:16
  • 13:00
  • 16:20(東城行き)
  • 18:51
  • 22:28(東城行き)

本記事執筆日現在運行されている芸備線の臨時列車は、10時24分に新見を出て、11時57分に備後落合に着きます。どこかの駅で途中下車しても次の列車で西に行けるので、かゆいところに手が届く列車だといえます。


新型やくもで新見へ

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大阪の人が芸備線に乗ろうと思ったら、岡山で「やくも」に乗って、新見駅で乗り換えるのが王道です。「やくも」は酔いやすく「ぐったりはくも」などと揶揄されてきましたが、2年程前に新しくなり、座席も座り心地良くてめちゃくちゃ快適でした(ちょっと車内チャイムの髭男がうっとうしいが)。


芸備線臨時列車に乗車

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9時13分のやくもに乗ると、ちょうどよい接続で芸備線の臨時列車に乗れます。我々3人の他に、やくもから乗り継ぐお客さんは5人ほど。1両の車内の座席は満席になりました。

僕と同類の人たちがたくさん乗っていて、走行中、ほぼ全員が前方を向いているという異様な光景でした。


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芸備線のホームは1番線。ここのホームは閑散路線専用ホーム。
昔、長時間労働で心病んだ日曜日に何の用事もないのに姫新線に乗って新見に来たことを思い出しました。


列車に乗ると、運転手さんが娘にJRのシールをくれました。実証実験期間中だからでしょう。ただ、そのシールが後の時間つぶしにすごく大活躍したので、たいへんありがたかったです。


芸備線の車窓と東城駅での途中下車

新見を出ると、しばらくは伯備線の線路を進みます。

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備中神代駅。芸備線の始発駅はこの駅です。

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備中神代駅を出ると路線は大きくカーブ。
非電化の芸備線に入ります。

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吹けば飛ぶような何にもないところを進んでいきます。
時々、ものすごく徐行していました。
何か対向列車が来るわけでもなく、ただただ徐行です。路線の保守工事を少なくするためなどと聞いたことがありますが、本当なのでしょうか。本当だとしたら、利便性を積極的に落としにいくのは、鉄道会社として本末転倒です。


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列車の乗って30分ほどで、今回の目的地、東城駅に着きます。


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東城駅で降りたのは4人ほど

列車は、沢山の鉄を乗せて備後落合に行きます。
この人たちは、備後落合に行って何をするのでしょうか。とても気になるところです。


【予約必須】無料バスに乗って、帝釈峡へ

今回、東城駅で途中下車を決めた最大の理由がこれです。

通常、芸備線のダイヤは日中の観光には厳しいのですが、この臨時列車のおかげで時間的余裕ができました。帝釈峡行きのシャトルバスが無料だというんだから、行かない手はないでしょう。

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無料バスは、東城駅→上帝釈→神龍湖→東城駅というルートで走っていて、直前の木曜日までにメールなどで予約が必要です

僕は、木曜日の夜11時30分頃にメールして予約し、特に返事もないので不安になっていましたが、ちゃんと予約できていました。

乗った無料バスは、僕たち3人と、地元の人1人。
この地元の人は、ただどこに行くでもなく、ドライブ的に乗っているだけのようでした。

【重要】期間限定の「実証実験」です!
私が利用した臨時列車や無料バスは、期間・時間限定の運行です。乗ろうとしている日に運行されているか、事前に調べてください


帝釈峡、神龍湖は秋を感じられる場所

バス(乗り合いタクシー)が結構大変で、暴れる娘を30分程抑え続け、どうにか神龍湖に到着しました。窓が小さく見え、ちょっと酔いました。


神龍湖に到着、まずは遊覧船へ

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神龍湖についたのはちょうど12時前。30分に1本の遊覧船がちょうど出航するところでした。


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変わった船で、結構混んでいました。


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秋の気配を確実に感じることのできる、絶景が広がっています。


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神龍湖のダム施設。これだけでせき止めているのはすごいですね。後ろの大きな崖もかなりインパクトが大きいです。

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神龍湖の「もみじ橋」。確かに映える色です。


「紅葉会館」で昼食

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朝からおにぎり1個しか食べていないので、近くに会った食事処に入ります。

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テレビで、ワールドシリーズのドジャース勝ち越しホームランを見ながらの食事。
神石高原ポーク豚おろしうどん(980円)を注文したところ、スープまで飲み干したくなるなかなかおいしい味でした。
地味に、一緒に乗っていたなすの天ぷらが美味でした。

噂によると、このあたりのホテルで予約してランチをとるとおいしいらしいのですが、ここで十分においしかったと思います。


遊歩道を一周

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時間があったので、1周2kmという遊歩道を一周しました。


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さっき下から見た橋です。


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それなりに歩きましたが、神龍湖は絶景でしたね。
紅葉のころはもっと映えるのだろうなと思います。


14時20分の無料バスで東城に脱出します。


東城駅周辺観光。年に1回の「お通り」を見てきた

この日は年に1回のイベント「お通り」の日。

東城駅に着くと、ちょうど前を「お通り」が通っており、それを追いかけていると、東城の町中にたどり着きました。

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「お通り」は、このあたりにあったお城の城主が、関ヶ原の戦いの戦勝を祝して行ったのが始まりと言われている伝統的なもの。100人程度の大名/武者行列が町を練り歩いていきます。

行列にあわせて、沢山の人が群がっていて、周りのお店も出店を出しています。


竹屋饅頭を食べる

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歩いていると、『揚げ竹屋饅頭』の出店がありました。ここは、江戸時代末期の1861年からある東城の老舗菓子屋。食べた揚げ饅頭がおいしかったので、店内に吸い込まれます。

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妻がお土産に10個入りを買っていました。一人で10個も食うんでしょうか。


地元のお酒!菊文明

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東城には、町なかに酒蔵があります。
この北村醸造場では、祭りにあわせて試飲が行われていましたが、コミュ障な僕には近寄ることもできず、店の中をちらっと見て出てきました。

東城のお酒なんて聞いたことがないのできっと地元にしか出回らないレア酒・・・

きっとおいしいお酒を造っているんでしょうが、コミュ障的には、なかなか買いにくい雰囲気が出ていました。

「試飲したいです」

そんな言葉、言えません。コミュ障ですから・・・

試飲したかったなぁ・・・

鉄道旅といえばお酒。芸備線/木次線観光するなら是非ここでお酒を買ってみて。


延城堂

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ここはお菓子屋さんです。

ケーキや最中、饅頭を売っていました。
消費期限短いですが、帰りの列車内で食べるのにおすすめ。

お饅頭と最中を買って、帰りのやくもで最中を食べましたが、なかなかおいしかったですよ・・・
明日の朝饅頭を食べるのが楽しみです。


東城にはちょっとイイ町並みが広がっていた

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東城には何もない、そう思っていましたし、実際「お通り」が終わると、あれだけいた人々がどこかに消えていきましたが、明治の町家などの意外と古くてきれいな建築物もあり、歩いていて楽しい町でした。

ここで紹介したものは全て駅徒歩10分圏内
駅すぐそばにはお好み焼き屋やカフェもありました。



東城駅での途中下車は意外と楽しめる・・・

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東城駅は、僕は「下りる価値のないところ」だと思っていましたし、芸備線自体、途中下車することを考えたこともありませんでした。

今回の臨時列車のおかげで、東城駅周辺の観光をできたわけですが、乗るだけだと退屈な芸備線の旅の食糧補給場所として、それなりに楽しめる町だと思います。

また、帝釈峡も駅からのアクセスは悪くはなく、中国山地の絶景を楽しむにはとても良い場所でした。

今回の東城駅滞在は4時間程度に過ぎませんでしたが、ぎゅっと楽しめたかと思います。


再構築協議会は「廃止ありき」なのか?

この芸備線では、昨今廃止問題が浮上しており、再構築協議会が開かれています。


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芸備線の再構築協議会の設定は、僕は「廃止ありき」だと感じています。

鉄道会社が路線を廃止する口実として、輸送密度や路線ごとの営業利益を公開していて、「鉄道の大量輸送の特性を生かせない」というのが常套句です。

確かに、地方公共交通の悲惨さを見れば、そもそも公共交通を民間で担う時代ではないのでしょう。ただ、この芸備線については言いたいことがあります。


この芸備線、乗りたくても乗れないダイヤです。早朝のわけの分からない列車以外は午前に東城〜備後落合間を走る列車がなく、こんなダイヤで日常利用できるはずがありません。加えて、意味わからないくらい徐行する区間があり、遅いのです。

そもそもそういう使いにくい路線である上に(ここは実証実験で一時的に多少解決)、列車が少ないのだから一日に運べる人数も少ないに決まっていて、輸送密度が低いのもある意味当たり前です。

営業利益を考えるにあたり、芸備線に乗りにいく乗客を輸送するためにJRが得た利益が評価されていないのも僕は問題だと思っています。芸備線だけを廃止するのは、クリームスキミング(おいしいところ取り)でしょう。

今回の実証実験は、せめて臨時列車だけでも、「どこからどうやって何のために乗るのか」についてアンケートを取るべきだったと考えています。

また、この臨時列車に乗っても備後落合駅で木次線には乗り継げないので、接続路線である木次線がセットに考えられていない点も残念でした。

十分に告知できているともいえず、廃止ありきの再構築協議会に見えてしまうのでした。

当然、素人のたわごとです。


まとめ:未来のために、期間限定のチャンスを活かす

現実には、実証実験が行われていても、無料バスは僕たちプラス1人、列車の東城駅下車も数人と、あまり観光には使われていないのが残念に感じました。

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旅の行き先としてマイナーですし、魅力もこうした無料バスのような取り組みも十分に発信できていないと思います。鉄道関係の情報に比較的アンテナを張っている僕でも最近知りましたから・・・


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繰り返しますが、臨時列車と無料バスが走っている「今」こそ、芸備線の存続に関心がある方も、乗り鉄の方も、途中下車して地域にお金を落とす最大のチャンスです。


乗りとおすだけでなく、是非、下りて応援してください!



このブログでは、国内の鉄道旅行を中心とした、旅行に役立つ旅行記を不定期に投稿しています。


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