堺の自動運転バス体験記!乗車レポートと日本の公共交通について少ない脳みそで考えた

堺の裁判所に仮差押命令をもらいにいったある日のこと。市役所の前に、止まっていたこのバス。

堺市役所前に停車中の自動運転バスの外観
自動運転バスが止まっていることに気付き、興味があってじっと眺めていました。

その便には誰も乗る予定がないらしく、担当者が呼び込みをしていました。

堺市自動運転バス実証実験のチラシ
こんなチラシを渡されます。

「今回は誰も乗ってくれない」

そういうのに弱い僕。

この間、そういう詐欺にあいかけたところですが、懲りずに乗ってやることにしました。今回はその自動運転の体験記です。


《取材日:令和7年12月》
この記事を書いた人:曖昧
30年以上関西に住み、30年以上関西に住み、小さいころは南海電車を眺めて育つ。大学卒業後、何かの拍子に乗り鉄が再燃する。全線踏破は面倒なので諦めるも、電車に乗りながら酒を飲み、ぼーっとするのが趣味。時々仕事をさぼってまで現実逃避の旅にでかけることも。ブログは趣味。日頃は、交通事故やマンション管理を趣味とする弁護士。





堺の自動運転実証実験に乗ってみた

裁判所の待ち時間で乗ることにしました。

なんせ、無料だし。

自動運転バス車内の様子とモニター

運行ルートと乗り心地

このバスは、1日6便で、平日のみ運行です。市役所→堺駅→堺東駅→市役所とノンストップで走るので、移動には使えません。

予約はラインでできますが、あまり人気ないので、多分、時間にバス停に行けば乗れます。裁判所での用事を済ませて、後のバスに乗ると、4人ほど乗っていました。

自動運転バスの運転席と搭乗者

堺市の交通担当の方と、多分設備の担当の方も同乗しており、自動運転の説明をききながら、ゆっくりと時速30kmでの走行です。

ハンドルとアクセルとブレーキのいずれも自動で、運転手は補助だけ。

いくつかある交差点では、信号と連携して走行していました。

信号連携と走行システム

交差点のセンサーが車両や人を検知している様子

信号機にセンサーがついていて、上の画像の感じで、交差点のどこに車や人がいるのかを探知しながら、進んでいました。

走行中の堺市駅周辺の景色

堺市駅。堺東駅からもっと遠いと思っていたのですが、結構近いのですね。

堺東駅のロータリーの様子

堺東駅のロータリーをぐるりとまわり、元の市役所前に帰ってきました。

日本の地方公共交通の課題と自動運転の意義?

なぜ僕がこんな実証実験に興味を持つかといえば、最近、公共交通について考える機会が多くて、多分自動運転が鍵になると考えていたからです。

各地で行われる自動運転の実証実験

今、各地では自動運転の実証実験が行われ始めています。例えば、ついこの間、松山で伊予鉄バスが無人運転のバスを始めるという報道がありました。

僕も永平寺の廃線跡を使った完全自動運転「ZENドライブ」には乗ったことがあり、その時にはセンサーの限界を感じました。

堺市も、将来的には無人運転(レベル4)を目指していますが、まずはその前の段階(レベル2)の実験をこの11月から始めたみたいです。

大阪では、河内長野の南花台で「クルクル」をやっているのは知っていましたが、なかなか行けないうちに存在も忘れていました。

自動運転の意義

自動運転の意義は、もちろん運転手不足に対応することにあります。

全国で、地方の公共交通が儲からない時代になっています。バスの運転手も昔は憧れの仕事だったそうですが、今やそうではありません。

全国で、鉄道を廃止してバス転換をすることがなされていますが、転換先のバスやタクシー運転手がいないという問題があります。

例えば、福井市では、鉄道会社やバス会社が市の計画の下、うまく連携して交通網を維持していますが、運転手が足りないためにバスの大きな減便がありました。

また、同じ福井の坂井市では、コミュニティバスをやめてオンデマンドタクシー「イータク」をやっています。これも相当便利なのですが、タクシー運転手も高齢で、給料面などの課題があるようです。

乗車記はこちら。

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茨城県の桜川市では、鉄道が廃止されて、一時はバスまで廃止されたところ、コミュニティバスやタクシー補助で市内の交通を維持していますが、これもバス会社の採算性の問題(運転手不足に起因)、タクシー運転手の高齢化で風前の灯状態です。

大阪でも、富田林で金剛バスがいきなり事業をやめるという事件がありました。

そうやって色々見る中で、ライドシェアなども提案されていますが、安易にライドシェアとか外国人労働者に頼るべきではないと考えていて、運転手不足への対応、自動運転が実現されるかどうかが鍵になるだろう、と考えていたところです。

自家用車がもたらす課題とまちづくり

よく、交通機関がなくても車社会なのだからいいじゃないか、的な声も聞きます。

車は便利ですが、維持費が相当高くつきますし、これが町の中心部に入っていくと、駐車場を町中に備え付けないといけなくなったり、それこそ、交通事故リスクもありますし、まちづくり的にはあまりよろしくないのではないか、と最近思うようになりました。

公共交通機関のないところに人は住みませんから、供給のあるところに、需要が生まれるのだと思います。宇都宮ライトレールの盛り上がりを見ていてもそう思います。

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「利用状況が悪いから本数を減らします」なんていうのは最悪で、課題はもりもりですが、自動運転はそういったことを減らす大きな鍵になるのでは?と思っていたところに、今回の自動運転の実証実験のバスが目の前にとまっていれば、そりゃ乗りますよね。

最後に

今は運転手がいるので問題ないのですが、レベル4の無人運転になったとき、

センサーカメラにでっかい蛾がとまったらどうなるんだろう...とか、

車内や車外でヤバイ人がバスを発車させないように妨害したらどうなるんだろう...とか、

要らんことを考えていました。

大阪の人が自動運転と聞いたら、ある程度の人はニュートラムの事故のことを思い出すのではないでしょうか。実証実験を通じて、自動運転も安全だということをみんなが認識できる程度になってほしいところですね。

課題はもりもりですが、この堺での実証実験がレベルアップし、全国の交通問題の解決に繋がる未来が訪れることを期待しています。

興味のある方は、平日、2026年2月27日までに堺市役所前に行ってみてください。